症例紹介:潜在精巣

[2021年02月13日]

潜在精巣とは?
陰睾や停留睾丸とも呼ばれ、生まれた時はお腹の中にある精巣が陰嚢(精巣が入る袋)の中に降りて来ず、お腹の中や皮下に残ってしまう病気です。本来は成長に伴って徐々に鼠径部を経由して陰嚢内に降りてきます。
片側または両側で起こり、小型犬に多いと言われていますが、どの犬種でも起こり得ます。猫は生まれる前に陰嚢内に精巣が降りてきており、潜在精巣の子はあまりいません。

潜在精巣だとなにが良くないのか?
お腹の中に精巣が残っていると将来腫瘍化するリスクが高くなります。陰嚢内に降りてきた場合と比較すると何倍も高くなると言われていますので、若いうちの去勢手術をお勧めします。潜在精巣の場合は生殖能力を持つことが出来ません。片側のみ潜在精巣であれば繁殖することも出来ますが、潜在精巣は遺伝するためオススメはしません。

時期は?
精巣は生後3ヶ月以内に降りてくる子が多いですが、中には半年を過ぎてから降りてくる子もいます。通常の去勢手術の方が本人の身体への負担も少ないので、生後半年で降りてきてない場合はもう数ヶ月様子を見させてもらう場合が多いです。

当院では麻酔の安全性から、基本的に半年を過ぎてからの去勢手術をお勧めしております。
去勢手術は考えてない!という方でも、潜在精巣の場合は手術をしてあげたほうが将来の腫瘍のリスクを考えるとより良いです。
去勢手術を考えてるかどうかに関わらず、生後半年を迎えられましたら一度受診をお勧めします。

片側潜在精巣の子から摘出した精巣(向かって左が正常)