【症例紹介:慢性腎臓病】

[2014年08月29日]

猫ちゃんが高齢になると、よく起こりうる病気があります。

『慢性腎臓病』

その名の通り、慢性=ゆっくりとした変化、で腎臓が少しずつダメージを受けていく病態です。

ここ数日で3例の慢性腎臓病の猫ちゃんが来院されました。
年齢は15歳、14歳、9歳、平均すると10歳以上の子達です。

『慢性腎臓病』の症状は様々。
無症状の子から、嘔吐、食欲低下、元気消失、多飲多尿(おみずを飲む量が多く、おしっこの量が多い)など・・・

『慢性腎臓病』の診断方法は、
血液検査、尿検査、レントゲン検査、超音波検査
これらの検査の組み合わせで診断します。

血液検査では特に『BUN』『クレアチニン』『リン』『電解質』『CBC』を中心に他の項目と照らし合わせて判断します。
特に、『BUN』『クレアチニン』の数字の上昇が見られたら、腎臓の組織の75%が障害を受けているという判断になります。

尿検査では、尿比重(おしっこの薄さ)や尿蛋白の具合を中心に判断します。
尿検査では血液検査より早期に腎臓病の発見ができます(腎臓組織の60%障害で発見できる)

レントゲン、超音波検査では、腎臓のサイズや腎臓自体に腫瘤(腫瘍など)ができていないか、
いわゆる慢性腎臓病ではなくて、腎臓腫瘍などの異常がないかをチェックしていきます。

これらの検査を組み合わせた結果、腎臓病のステージ分類をします(IRIS分類という分類法を用います)。

治療方法も千差万別。
さきほどの分類に基づき、
内服薬、サプリメント、食事療法を主体に、
食欲や嘔吐などの具合に応じて点滴治療を重ねていきます。

大切なのは、治る病気ではないので、いかに上手に付き合っていくかということと、
年齢が6-7歳になり始めたら、定期的に検査をして早期発見をしてあげることです。

より早く発見できれば、その分より長くいい状態を保てるので、
中高齢になったら年に1-2回検査してみてはいかがですか?

チェルシーアニマルクリニック
院長 小池 博行