【症例紹介:上顎部分切除】

[2014年06月29日]

今回の症例はセカンドオピニオンで来院されました。
10歳のレトリバー犬です。

1つ目の病院では口の炎症という事で抗生物質を服用したが変わらず、2つ目の病院では富山で手術はできないという事で大学病院を紹介されていたところ、
当院を受診しました。

上あごの口の中に潰瘍化したしこりができていました。

口の中にできる腫瘍は
・ エプリス
・ 扁平上皮癌
・ 線維肉腫
・ メラノーマ(悪性黒色腫)   が多いです。

FNA(細胞診)では、悪性を示唆する細胞が数多くとれました。

麻酔がかけられる状態か、転移所見がないか、胸部レントゲン、血液検査を実施しましたが、異常所見はありませんでした。

治療方法としては
① 大学病院にてCTにて腫瘍範囲を特定、その後状況で放射線治療まで考慮にいれつつ外科切除実施
② 当院にて可能な限り切除
③ 何もしない

という選択肢があります。

富山だと近辺でも岐阜大学が一番近くになるため、飼い主さんは②を選択し、上顎部分切除を実施し、可能な限り切除しました。

顎を切除すると見た目が変わるのでは?と考える方も多くおられますが、
全域でなく、部分で切除するとそこまで見た目ではわかりません。

病理検査結果は『悪性黒色腫』。

あまりよくないガンですが、補助療法として抗ガン剤やサプリメントなど、
まだまだやってあげられることはあります。

動物は年齢とともにできものを作りやすくなりますので、できものができたらまず細胞診をしてあげて、腫瘍なのか、炎症なのか、脂肪なのかなどきっちり検査してあげたいですね。

チェルシーアニマルクリニック
小池 博行