【症例紹介:会陰尿道瘻設置術】

[2014年06月11日]

猫ちゃんを飼われている方は経験したことがあるかもしれませんが、おしっこがつまって出なくなる病気があります。
『尿道閉塞(にょうどうへいそく)』です。
この病気はオスに多く(特に去勢手術を終えている猫ちゃん)、その中でも太っているネコちゃんによく起こります。
オスはメスに比べて尿道が細くカーブしているために、石や結晶などがつまってしまいおしっこがでなくなります(下図参照)。

尿道閉塞が起こると、ひどいとおしっこを出したいのに出せなくて、おしっこを作り出す腎臓に影響が出てきて、『急性腎臓病』を引き起こします。
急性腎臓病は血液検査でBUN、Cre(クレアチニン)、電解質などの数字を測る事によりわかります。
特に急性腎臓病を引き起こしたネコちゃんは命にかかわるので直ぐに点滴(特に入院管理での血管点滴)治療が必要です。

今回の症例は去勢を済んだ太りめのネコちゃんで、度重なる尿道閉塞を起こしたために、会陰尿道瘻設置術(えいんにょうどうろうせっちじゅつ)という手術を実施しました。
どういう手術なのかというと、簡単に言えばメスのようになる手術です。
オスの尿道を肛門の下まで移動させておしっこを出やすくしてあげる手術です。
このネコちゃんは手術前1.1-1.3mm(かなり細いです!)の尿道カテーテルしか入りませんでしたが、手術後、3mmのカテーテルが入るようになりました。
この手術では昔ながらの方法だと造った尿道の下が皮膚になって毛が生えて管理しにくくなる事もあります。当院では包皮粘膜を利用した手術を実施しています。
わかりにくいですが、この粘膜を利用した手術では造った尿道の下に毛が生えてくることがないので、管理しやすく、また膀胱炎になりにくいです。

長々となりましたが、大切なのはネコちゃんを太らせないこと!、一度尿道結石、結晶が見られたネコちゃんはしっかりと食餌管理をすることが大切ですね。

チェルシーアニマルクリニック
院長 小池 博行